興南「粘って勝つ」 きょう木更津総合戦 夏の甲子園


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バント練習する興南ナイン=14日、兵庫県尼崎市のベイコム野球場

 【甲子園取材班】第100回全国高校野球選手権の2回戦に挑む興南は15日の第2試合で、東千葉代表の木更津総合と対戦する。木更津総合は地方大会6試合で計50得点を挙げる打撃力が持ち味。甲子園初戦も敦賀気比(福井)を10―1で退けた。投手陣も140キロ台を投げる力のある右腕2人がそろう。興南もタイプの異なる左腕2人を中心に投手陣の層は厚く、打線は派手さはないが好機に強い。総合力の高い両校の試合は競り合いが予想される。我喜屋優監督は「先制点が欲しいが、両校投手の踏ん張り次第では後半まで接戦が続く。大事なことは考えて守り、声掛けやカバーリングで最少失点に防ぐ展開にすることだ」と接戦を勝ち抜く粘り強い戦いを描いている。

◆我喜屋監督「知恵の野球で」

 2回戦に備え、興南は14日、最後の全体練習を兵庫県尼崎市のベイコム野球場で行った。相手情報を分析した上で、各選手が初戦の課題修正と対策に余念がなかった。これまで同様に試合モードで練習した。

 我喜屋監督は準備運動直後から選手を何度も集合させ、厳しく指導した。「のんびり型の選手が多いから緊張感を注入した」とチームを引き締めている。木更津総合の打線はパワーと機動力があり、投手陣は140キロ台の右腕2人が注目される。総合力のあるチームだが「興南野球で相手の長所短所を見極め、知恵の入った野球をしていく」と、ベテラン指揮官は勝利への構想を描く。

木更津総合との2回戦へ向け、投球練習する宮城大弥

 木更津総合は初戦で守備間を抜ける安打が目立った。中堅手の里魁斗は「打球は逆方向に飛んでくる。声を掛け合い、外野陣の位置確認、風向き、内野との連係を徹底している。自分の打席では9番として欲張らずに出塁し、力のある上位にチャンスメークしたい」と得点に絡む打撃に努める。

 1番で二塁手の根路銘太希は、初戦に1失策した課題を「一歩目の反応が遅れたことが原因」と洗い出し、「練習から打球の正面に素早く入るよう修正してきた」という。打撃は興南のリードオフマンで「確率的に長打もあり、本能的に打てる打者」と指揮官の信頼は厚い。根路銘は「相手の速球にしっかりスイングを決めたい」と先陣を切るつもりだ。

 遊撃手の勝連大稀は初戦で5打数3安打1打点と活躍したが「当てにいってしまい、持ち味のフルスイングができなかった」とさらなる活躍を目指す。美里工業野球部だった父の激励が試合への原動力だ。「『良いバッティングだったぞ』ってラインが入ると、テンションが上がります。父が言う『自分なりに楽しんで』を胸に、振り負けない打撃で相手投手を打ち崩したい」と意気込んだ。

 技巧派左腕の藤木琉悠は「相手打者に応じて攻めを変えていく」と語り、速球派左腕の宮城大弥は「エースで4番の野尻を崩し、チャンスをつかめば勝てる」と強気だ。2人とも先発よりも勝利にこだわり、準備を徹底しているという。2年生捕手の遠矢大雅は「相手の研究もするが、一番は投手陣のいいところを引き出すこと。興南投手陣のペースになれば大丈夫」と前を向く。