陶磁器配合 釉薬データベース構築 870例、技術支援に活用 沖縄県工業技術センター


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「釉薬データベース」の色見本を紹介する県工業技術センターの古堅勝也所長(左)と与座範弘氏=16日、県庁

 県工業技術センター(うるま市、古堅勝也所長)はこのほど、陶磁器の製造で色合いや特徴を表現する上薬の配合例をまとめた「釉薬(ゆうやく)データベース」を構築した。約45年かけて蓄積した沖縄伝統の配合など県内外の調合例870件余りを系統ごとにエクセルファイルに整理した。同センターでの技術相談で活用し、陶磁器製品の開発や技術支援に役立てる。

 焼き物の製造が盛んな沖縄は、離島を含めて約200件の陶器製造業者がいる。近年は外国人観光客(インバウンド)への需要も増えて、ニーズに合わせた製品の開発が進んでいるという。

 さらに釉薬は、原料の種類や配合する割合、焼き方の条件などで無数の組み合わせがある。古堅所長は「(陶磁器の)色合いは科学的に再現でき、製品開発に役立てられる。後継者の育成や技術支援に活用したい」と語った。

 同センターと壷屋陶器事業協同組合は7月、データベースを基に陶器技術研究会を実施するなど、技術の向上を図っている。