パーキンソン病友の会沖縄県支部は、9月30日に宮古島市の宮古合同庁舎で医療講演会を開く。同会による宮古圏域での医療講演会は初めて。県支部長を務める又吉忠常さん(61)は「離島は情報が入りづらい。講演会をきっかけに患者同士で横のつながりが生まれたらうれしい」とし、参加を呼び掛けている。
パーキンソン病は震えや運動機能低下などの症状が出る。厚生労働省の指定難病で、根本的な治療方法は見つかっていない。宮古保健所によると、宮古島市と多良間村で医療受給者証を所持しているパーキンソン病患者は、ことし3月末時点で46人。ただ、受給者証を持っていない患者もおり、実際はもっと多いと推測される。
診断までに時間がかかるケースが多いのも特徴の一つ。又吉さんも30代で発症したが、病名が判明したのは47歳だった。腰痛がひどく、さまざまな医療機関を受診したが長らく「異常なし」とされた。体がついていかず、仕事も失った。
病名が分かった後も又吉さんの苦悩は続いた。「周囲に知られるのが怖くて外に出るのが嫌だった」。そんな時に手を差し伸べてくれたのが、同じ病気で悩む患者たちだった。妻で支部事務局長の朝子さん(61)は「会での出会いが何よりの支えになった」と振り返る。
県支部はこれまで20回以上医療講演会を開いてきた。9月30日の講演会は午後1時から。パーキンソン病に詳しい福岡大医学部の坪井義夫教授と沖縄病院の渡嘉敷崇医師の2人を講師に招く。
現在、206人の正会員がいるが、宮古は8人だけ。講演会を機に入会していない患者とつながることも願っている。又吉さんは「宮古でもやりたいとずっと願っていた。ぜひ講演会を成功させたい」と意欲的に語った。