薬剤師の仕事、ぜひ沖縄で 県外学生を招待しアピール


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
薬局を紹介する薬正堂の社員(中央奥)と学生たち=18日、沖縄県北中城村

 全国最少の状況にある薬剤師の不足を解消しようと沖縄県で18日、県外から薬学部の大学生を招いたツアーが実施された。企画したのは医療・介護分野の人材サービス業などを手掛けるCBコンサルティング(東京)。「薬学生向けインターンツアーin沖縄」と銘打ち、県内で「すこやか薬局」を38店舗展開する薬正堂(沖縄市、宮里敏行社長)と連携して県外の薬学生7人を招待した。運営する薬局の紹介や沖縄で働く県外出身の薬剤師らとの交流を通して、沖縄で働くことの魅力を薬剤師の卵にアピールした。

 県内大学に薬学部がない沖縄は、2016年度の厚生労働省の調査で10万人当たりの薬剤師数が全国で最も少ない。

 県外で国家資格を取得した県出身者がUターンしたり、薬剤師資格を持つ人が移住したりする。だが、薬正堂の古堅春樹取締役は「薬剤師は全然、足りていない」と現状を語る。

 これまで2、3年間現場を経験した後、30歳前後で沖縄に移住する薬剤師が比較的いたという。ここ2年ほどは、就職の際に沖縄に興味を持つ学生も目立ち、「沖縄が好きだから」と県内への就職を目指す学生も増えていると話す。薬正堂にも、県外からの新卒採用があった。

 18日のツアーでは、在宅での調剤を主とする薬局や車のまま薬を受け取るドライブスルー、薬局では珍しい2階建ての店舗を見学した。ツアーに参加した帝京大4年の山中唯さん(東京都出身)は「めったに見られない所を見られてよかった」と驚き、「地元から離れるのは寂しいが、地域医療は大事だと思う」と語った。

 県出身の薬学生2人も同行して見学した。19日も沖縄本島南部にある薬局を見学し、社員との交流のほか観光も予定している。