桃原さん個人最優秀 俳句甲子園 沖縄県勢初、上里さん優秀


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俳句甲子園でベスト8に輝いた興南高校のメンバー。前列右から2人目は最優秀賞の桃原康平さん=19日、愛媛県の松山市総合コミュニティセンター(興南高提供)

 高校生が5人1チームで俳句の出来栄えや鑑賞力を競う第21回「俳句甲子園」が19日、愛媛県松山市で行われた。審査の結果、興南高校2年の桃原康平さん(16)が個人で最優秀賞を受賞した。沖縄県勢の最優秀賞受賞は初めて。

 同校3年の上里匠さんも優秀賞を受賞した。

 団体の興南は、敗者復活戦で敗れ、ベスト8だった。団体優勝は予選リーグ決勝で興南を破った徳山(山口)だった。

 桃原さんの受賞句は「滴りや 方舟に似て あなたの手」。18日に行われた予選リーグ決勝の兼題(事前に知らされる題)「滴り」に対し、桃原さんは岩からしみ出る水滴を人が手で受け止めている様子を想像。その手の形が、天井の開いた方舟(はこぶね)に似ているという情景を詠んだ。

 審査講評では、しずくを受け止める人を「君」などの近しい人ではなく、「あなた」と表現したことに「未来が感じられる」という評価があった。

 桃原さんは「選ばれるとは思っていなかったので、受賞が分かった瞬間は放心状態だった」と、予想外の受賞を喜んだ。

 優秀賞に選ばれた上里さんの受賞句は「草笛の 青々として 息熱し」(兼題「草笛」)。

 同賞は、13人の審査員がそれぞれ選出する賞で、俳人の阪西敦子さんが選んだ。