高校生が取り組む那覇の「まち戻し」って?


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市場に売られているウミヘビを子どもたちに紹介する沖縄尚学高校地域研究部の生徒ら=8日、那覇市牧志

 地元の人がもっとマチグヮーに来てほしい―。沖縄尚学高校地域研究部の生徒が案内役になり、那覇市内の児童と一緒に那覇市の平和通りや公設市場、沖映通りなどのマチグヮーを巡る「なはまち探検」が7、8の両日開かれた。8日は那覇っ子児童クラブに通う小学生13人が参加し、市場や商店街の魅力を学んだ。

 那覇市が2016年度に実施した市民意識調査では、第一牧志公設市場などのマチグヮー利用度が「月1、2回以下」という市民が88・6%で約9割に上るなど、地元客のマチグヮー離れが顕著になっている。

 現状を懸念した同校地域研究部の生徒が「かつてのように地元客も市場に戻ってほしい」の思いで「まち戻し」の学習を始め、その一環として企画に取り組んだ。運営資金は行政や民間の助成金に応募するなどして自ら集めた。事前に市場や商店街の代表者や店舗の人たちなどに話を聞いて、市場の歴史や特徴を学習し、公設市場と沖映通りのルートを生徒が自ら設定した。

 公設市場を巡る班は、平和通りの菓子店やカーテン屋などの専門店を訪ねた後、公設市場を回った。沖尚の生徒たちは手作りのイラストなどを見せながら、子どもたちに「スーパーと市場の違いは何?」などと質問。「お肉屋さんはお肉のおいしい食べ方を知っている。おうちの人とまた買い物に来てね」と市場での買い物も呼び掛けた。また、商店街を火事から守ったと言われるガジュマルの木を紹介し、商店街にまつわる歴史も伝えた。

 企画のリーダーを務めた同校2年の城間琉那さん(17)は「昔のように地元の人でも市場がにぎわってほしいという思いで始めた。子どもたちにマチグヮーの魅力を知ってもらえたら」と期待を込めた。精肉店で肉を切るところを初めて見たという那覇小3年の国吉優奈さんは「すごかった。面白かった」と笑顔を見せた。