翁長知事 「音声」議論収束へ 謝花副知事も内容確認


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 翁長雄志知事が残した知事選に関する音声を巡り、県議会与党の会派おきなわは音声に疑義があるとして公開を求めている。だが、会派おきなわは音声に関係なく、後継として名前が挙がった玉城デニー氏の支援を決定するなど、玉城氏出馬に向けた環境は整いつつあり、事態は収束に向かっている。

 謝花喜一郎副知事も音声を直接聞き、内容を確認していることも22日、与党幹部の話で分かった。

 会派おきなわの要請に対し、与党内で唯一、音声を聞いた新里米吉県議会議長は、音声を持ち込んだ遺族関係者から「広げないでほしい」との要望があることを理由に公開を拒否しており、溝は埋まっていない。

 新里氏は21日、東京都内で記者団に対し、音声が翁長知事の「遺言」と受け取られていることについて「一度も遺言と言ってない。(後継)指名ではなく、デニーさんが出てくれないかという発言で、デニーさんに対する期待だった」と話した。

 同じく、後継として名前が挙がったとされる、金秀グループの呉屋守将会長については「呉屋さんの名前も出ていた」と述べた。その上で「知事は呉屋さんが出てくれると『オール沖縄』がまとまると、これまで言っていた。総合的に考え、翁長知事は呉屋会長やデニーさんに対する期待があったと理解できる」と話した。

 与党などでつくる調整会議は、知事の遺志を尊重し、2人のいずれかを候補者として擁立することを決定。その後、呉屋会長が固辞したため、与党は、出馬に意欲を示している玉城氏を擁立する方針を決定し、近く、正式に出馬要請する予定。