くるちの杜、地域文化賞 サントリー文化財団表彰 100年後へ三線材料植樹


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第40回サントリー地域文化賞を受賞した「くるちの杜100年プロジェクトin読谷」実行委員会の石嶺伝実読谷村長(左から3人目)ら関係者=23日、県庁

 サントリー文化財団は23日、第40回「サントリー地域文化賞」に「くるちの杜100年プロジェクトin読谷」など全国5団体を選んだと発表した。沖縄県内関係者の受賞は5年ぶり9件目。同プロジェクト実行委員会会長の石嶺伝実読谷村長らが同日、県庁で会見し「素晴らしい賞を与えていただいた。子々孫々に活動を伝えていきたい」と喜んだ。

 同プロジェクトは、三線の材料となる県産黒木(和名・リュウキュウコクタン)を100年かけて育てていこうと、2012年に始まった。

 これまでに約3千本を植樹し、年1回、植樹祭や音楽祭を開催する。月1回の草刈りには、県内外から約70人のボランティアが参加している。

 会見に同席した同財団の尾﨑勝吉専務理事によると、選考委員の石毛直道さん(国立民族学博物館名誉教授)が読谷村で現地調査を実施。「100年先に成果を託した、夢のあるプロジェクト」と評価したという。

 同実行委の名誉会長でミュージシャンの宮沢和史さんは「(プロジェクトに)大勢が参加して渦が大きくなっている。踏ん張れば、100年先にバトンを渡せるのではないか」と強調した。

 石嶺村長も「夢を受け止めていただいた。100年に向けて確実に前進している」と力を込めた。

 同賞は、地域文化の発展に貢献した個人や団体を毎年5件ほど表彰している。今年は全国の新聞社などから32件の推薦があった。