宮里エイサー40年ぶり きょう住民待望の道ジュネー 青年部発足、地域も支援


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40年ぶりの道ジュネー開催に向け、練習にも熱が入る宮里青年部=16日、宮里自治会

 【沖縄】地域の伝統エイサーを継承しようと沖縄市の宮里自治会が奮闘している。5月には青年部を発足させ、24日午後3時から約40年ぶりの道ジュネーを開催する。宮里エイサーの資料がほとんどない中で、当時を知る80代の先輩に曲の聞き取りから、宮里エイサーの特徴などの証言を集め、曲を起こした。青年部復活に動き出してから4年。道ジュネー復活に住民からの期待も大きい。

 4年前に自治会長に就任した幸喜愛さん(52)は「前々から『青年会を復活させてほしい』との地域住民の声が大きかった」と語る。40年以上前に、青年会が休止となり、宮里エイサーも踊られなくなった。幸喜さんは就任と同時にエイサー復活に向けて取り組み始めたが、資料もなく手探りの状態だった。「どういう曲を使っていたのかだけでも知りたい」と協力を募り、5人の青年会OBから曲目を聞き取り、譜面に起こした。「ここまで来たら、次は踊り手だ」と、地域の青年たちに声を掛け、今年5月、宮里区総会で青年部発足が承認された。青年部発足へ活動を始めた当初は2人だったが「今では28人も集まった」とほほ笑む。

 宮里のエイサーが盛んだった時代、地謡として盛り上げた島田幸勇さん(71)も、証言収集に協力した一人だ。道ジュネーを心待ちにしており「とっても楽しみ。自治会長が熱心に取り組んでくれるから、私も頑張らんといけんさ」と後輩の練習を見守る。

 6月に地域のイベントで初披露した後、地域住民からの反響も大きかった。青年部長に就任した知花幹弥さん(25)は「踊り自体の資料が残ってなくて、創作エイサーではあるけど、どこにも似せないようにするのが難しかった」と振り返る。24日の道ジュネーで、地域住民の反応を見るのが待ち遠しいという知花さんは「本番に向け、男は力強さ女はしなやかさを極めていきたい」と力を込めた。