島の環境保全議論 韓国済州島でサミット 沖縄やハワイ参加


この記事を書いた人 琉球新報社

 【済州で清水柚里】県、韓国済州島(特別自治道)、米ハワイ州の知事らが一堂に会し、島しょ地域が抱える環境問題について協議する「グローバル・グリーン・アイランド・サミット」(GGIS)の初めてのフォーラムが27日、韓国の済州島で開幕した。3島のほか、中国海南島からも含め約100人が参加した。自然環境や風土、産業などで共通点が多い各島の関係者が集まり、環境と観光との両立の重要性などさまざまな観点から環境保全の取り組みを議論した。

グローバル・グリーン・アイランド・サミットのフォーラムで各地の識者や自治体関係者と握手を交わす大浜浩志環境部長(左から6人目)=27日、韓国済州島

 初日は各自治体の職員や専門家が、干ばつやハリケーン、台風などの異常気象の報告や環境への自治体独自の取り組みを発表した。県内からは堤純一郎琉大教授が気候変動による適応策、黒田登美雄琉大名誉教授が宮古島の地下ダム事業について報告した。

 大浜浩志県環境部長は、海外漂着ごみ対策などを説明した。中国や韓国からのごみが沖縄に流れ着くことに触れ「沖縄だけで対策できるものではない」と協力を求めた。

 ハワイ州は低炭素社会の実現を目指し、四つの島が2045年までに再生可能なエネルギーへの転換を目標に設定している。ハワイの自然保護団体「ブループラネット財団」のメリッサ・ミヤシロ主任は「今後も観光客が増加が予想され、航空機の利用も増える。効率性を高める必要がある」と指摘した。

 済州島は、30年までに島の炭素排出を実質ゼロにすると宣言している。アジア気候変動教育所のジュン・ダイユンさんは、風力と太陽光を利用した発電を普及させ、100%電気自動車化を目指す取り組みを報告し、「社会的な合意を取りながら倫理観を変えていく必要がある」と語った。

 最終日の28日は、3自治体の代表者が環境保全に関する共同宣言をまとめ、調印する。