サンゴ採捕 沖縄県が不許可 辺野古埋め立て撤回根拠に 防衛局申請の全4万群体


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サンゴの特別採捕許可申請を不許可にした旨を防衛局に通知する県の文書

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設予定海域にあるサンゴ類について沖縄県は3日、沖縄防衛局が申請していた約3万8760群体など全ての特別採捕許可申請を不許可にしたと発表した。同日、防衛局に通知した。防衛局は新基地建設事業の環境保全措置としてサンゴを移植するため採捕申請していた。県は8月31日に公有水面埋め立て承認を撤回したことで「事業がない状況で、移植行為の必要性もなくなった」(県水産課)と不許可の判断に至った。

 県が不許可としたのは、防衛局が(1)4月24日付で申請した小型サンゴ類約830群体とショウガサンゴ1群体(2)同じく24日付の大型サンゴ22群体(3)6月19日付の小型サンゴ約3万8760群体―の3件の申請。

 防衛局は申請で、新基地建設の「環境保全措置を目的とした造礁サンゴ類の移植技術に関する試験研究」を採捕の目的にしていた。

 防衛局は処分に不服がある場合、農林水産相に対する審査請求や処分の取り消しを求める訴訟を提起することができる。

 特別採捕に関する判断の権限は、知事職務代理者の富川盛武副知事が8月16日以降、埋め立て承認の撤回権限とともに謝花喜一郎副知事に委任していた。