![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/002/201809/4b69c3baf8410c1c05d6024d730034fb.jpg)
「古酒(クース)の日」の4日、県内の泡盛製造43社が共同出資する協同組合琉球泡盛古酒の郷が、複数の蔵元の泡盛をブレンドして5年貯蔵した「古酒の郷」を発売した。2008年に同組合が設立してから古酒を発売するのは初めて。松田亮理事長は「やっと商品化できた。古酒は世界に誇る沖縄の宝物だ。県外、海外にも魅力を広めていきたい」と話した。
同組合のタンクには現在、43社のうち20社の泡盛がブレンドされて貯蔵されており、今回発売分のタンクには7社の泡盛がブレンドされている。発売される「古酒の郷」は13年から貯蔵している。アルコールは40度、720ミリリットル入りで小売価格は税別で2800円。ラベルの字は書家の豊平峰雲氏が手掛けた。松田理事長は「芳醇(ほうじゅん)な味わいとコク、香りがあり余韻も残る。ぜひストレートで少しずつ飲んで味わってほしい」と話した。
店頭ではイオン那覇店とライカム店、わしたショップ国際通り店、沖縄宝島あっぷるタウン店で販売する。2~3割を県内で販売し、残りは県外や国外で販売する予定で、1年間で約2万本の販売を見込む。
県内の個別の酒造所だけでは経営体力がネックとなって古酒貯蔵量を増やすことが難しく、状況を打開するため同組合が設立された。うるま市の県特別自由貿易地域に貯蔵施設を建設。当初は泡盛2500キロリットルを10年間熟成させる計画だったが、施設の整備が計画通りに進まず、現在は375キロリットルを貯蔵している。
今後、375キロリットルのうち5年間かけて半分を販売し、残る半分は23年以降に10年古酒として発売する予定という。松田理事長は「当初計画では10年古酒にしてから出す予定だったが、これだけインバウンドが盛んになっているのを見逃す手はない。古酒の魅力を伝えることで泡盛全体を底上げしていきたい」と話した。