豊見城(男子)初の全国切符 全沖縄高校バスケ選手権


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コザー豊見城 第4Q 相手守備を引きつけ、フリーの味方にパスを出す豊見城の幸地信哉=9日午後、沖縄市の県総合運動公園体育館

 全国高校選手権大会への派遣を懸けたバスケットボールの第61回全沖縄高校選手権大会は9日、沖縄市の県総合運動公園体育館で男女の決勝を行った。男子は豊見城が77―60でコザを破り、同競技で初めての全国切符を手にした。女子は西原が日本ウェルネスを94―57で下し、頂点に立った。男子豊見城は運動量を生かしたプレーで、後半にコザを突き放した。女子西原は、堅守から攻撃のリズムをつくり、終始主導権を握り続けた。男女の優勝校は、ウインターカップ2018第71回全国高校選手権大会(12月23~29日、東京)への出場権を獲得した。

◆宿敵退け、悲願達成

 昨年11月の新人大会と1月の小橋川杯を制し、勝負強さを示していた豊見城。しかしその後の県高校総体は「競り合った時の気持ちの弱さ」(幸地信哉主将)が出て、最終盤にコザに逆転負けを喫した。この一つの敗戦が逆に選手たちの気持ちを奮い立たせた。走り込みを徹底的に強化。ことし最後のビッグ大会となるウインターカップを懸けた大一番、最後まで運動量を落とさない粘り強いプレーを発揮し、宿敵を77―60で退け悲願の全国を決めた。

 豊見城はマンツーマン守備でコザのタフショットを誘い、こぼれたボールは必死になって食らいついた。第2クオーター(Q)までリードを保ち、ミスが続いた第3Q中盤に1点差まで迫られると、すぐさまタイムアウトを取った。

 幸地主将は「気持ちで負けるな」と一喝。その後、幸地の3点弾で再びチームに火が付いた。相手のパスをスチールした比嘉隼人がそのまま速攻で得点を決め5点差に広げる。勢いそのままに第4Qも走り切り、嘉数啓希が攻守でリバウンドを死守し、幸地がコート内を激しく動き回りながら、素早いパス回しで相手を翻弄(ほんろう)していった。

 学校創立以来、初めての全国大会。優勝が決まると嘉陽宗紀監督は「最後までみんなよく粘ってくれた。このチームをつくってきてくれたOBたちにも感謝したい」と喜んだ。幸地主将は「目標は全国優勝」ときっぱり。初の大舞台にも気後れはない。
 (喜屋武研伍)