【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設の是非を争点に全国的に注目を集めた名護市議選(定数26)は9日投開票され、移設を事実上容認している渡具知武豊市長を支える与党が13人、移設に反対する野党が12人、中立1人との結果となった。改選前は少数与党だったが、野党が1議席を失ったのに対し、与党は現有議席を維持した。ただ、与党の公明2人を含む15人が移設に反対しており、反対派が過半数を占める状況は変わらなかった。
選挙前の議会構成は与党13人、野党14人。今回の市議選は定数が1議席減り、26の定数に対し、与党系候補17人、野党系候補14人、これまで野党だった中立的立場の現職市議1人の計32人が立候補した。
本紙が立候補者を対象に実施したアンケートによると、今回当選した議員は辺野古移設に「反対」が15人で、「賛成」は5人。「その他」として態度を明確にしなかった候補者が6人いた。「賛成」と答えた候補者7人のうち2人は落選した。
移設工事について渡具知市長は「法令にのっとって手続きを進める」と述べてきた。これまでは野党多数のため、新基地建設を受け入れたことで得られた再編交付金などを巡り議会が紛糾することもあった。今後の議会では議長の指名推薦を巡って与野党が激しく駆け引きを繰り広げるとみられる。
選挙戦で渡具知市長は与党過半数を目指して与党候補を全面支援したのに対し、野党側は移設に反対姿勢を示して支持を訴え、激しい選挙戦が展開された。
新人は与党3人、野党3人の計6人が当選を果たした。当日有権者数は4万8772人で投票者数は3万1719人。投票率は65・04%で前回を5・36ポイント下回り、過去最低となった。期日前投票は有権者の32・1%に当たる1万5680人だった。