子宮頸(けい)がんから女性を守る市民公開講座(主催・沖縄産科婦人科学会と県産婦人科医会、共催・琉球新報社など)が9日、沖縄県那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。琉球大学医学部付属病院の久高亘氏、銘苅桂子氏が講師を務め、20~30代の罹患(りかん)率が増加している現状と、がん検診の重要性を訴えた。
日本では毎年約1万人が子宮頸がんに罹患し、20~30代の患者数は増加傾向にあるという。久高氏は、予防法としてHPV感染予防ワクチンと子宮頸がん検診を挙げ、「予防することが可能だ」と述べた。県内の20~30代の子宮頸がん検診受診率が全国平均より低い現状を挙げ、「若い世代に積極的に子宮頸がん検診を受けてほしい」と強調した。
銘苅氏は、生理痛や生理不順など、ささいな悩みにも病が隠れている可能性があるとし、早期の婦人科受診を勧めた。「子宮頸がんが進行すれば、損失するものは大きい。家族や友人を誘って、ぜひがん検診に行ってほしい」と訴えた。
両氏は参加者からの質問にも答えた。県内の若い女性のがん検診受診率が低い理由について、久高氏は「明確な理由は明らかになっていない。子宮頸がんについてもっと広く知ってもらう必要がある」と回答した。妊娠期にがんが見つかった際の流産のリスクについて、銘苅氏は「流産のリスクがないとは言えない。自身が安心するためにも、妊娠前にがん検診を受けてほしい」と語った。