投票率 低下止まらず 9市町村で最低 政治離れ、若者周知課題 統一地方選


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誰もが住みやすい地域づくりへの期待を込めて1票を投じる

 沖縄県の今回の統一地方選で10日までに投開票を終えた27市町村のうち19市町村で、前回2014年の投票率を下回った。本紙の取材では9市町村が過去最低となり、7市町村の選挙管理委員会も「近年では最低」などと答えた。各種選挙の投票率は低下傾向が続き、有権者の「政治離れ」が顕著となっている。

 投票率が過去最低だったのは、名護、沖縄、宜野湾、南城、宜野座、西原、読谷、北中城、八重瀬の9市町村。沖縄市議選は今回初めて50%を下回り、49・64%を記録した。市選管は「人口の増加だけでなく、転入者や18歳以上の新しい有権者への周知不足もある」と分析する。市選管は、立会人に10代を積極的に採用する取り組みや市広報、ホームページなどで周知をしているが「どのように若年層に訴えるかも問題だ」と課題を挙げた。

 投票率を20年前の1998年の選挙と比較すると、27市町村のうち13市町村で15ポイント以上減少した。特に中城村議選は、82%から55・37%まで落ち込み、マイナス26・63ポイントの最大の下げ幅となった。

 選挙公報や広報などを通じて選挙の周知に取り組んだにもかかわらず、過去最低の投票率となった自治体の選管職員は「いくらアピールしても限界がある。何をしたら投票率が上がるのか分からない」と苦悩をにじませた。

 投票に行かなかった人からは「政治離れ」を表す言葉がこぼれる。本島南部の男性(29)=臨時職員=は「選挙がいつか分からなかった。ネットでの投票が可能になるなら、投票するかも。市町村の議員は誰でもいい」と地方議会への無関心を隠さなかった。
 (統一地方選取材班)