安室さんに憧れ 衣装も特注 本人の前でダンス優勝 沖縄県出身アブラマミレさん


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昨年の5大ドームツアーで安室さんが着用した白のフリンジミニドレスをイメージしたコスチュームに身を包むアブラマミレさん(本人提供)

 歌手・安室奈美恵さんと同世代で沖縄県出身のアブラマミレさん=本名非公開=は、安室さん好きが高じて2010年から特注した安室さんのステージ衣装を身に着け、月に1回、ドラァグクイーンショーに出演している。16年に新宿二丁目のクラブで開催されたダンスコンテスト「安室奈美恵ナイト」では本人の前でパフォーマンスを披露し、優勝した経験もあり、安室さんファンの間でも有名だ。「私にとって安室ちゃんは唯一無二の存在で、子どもが仮面ライダーに憧れるのと同じ感覚。永遠のヒーローだ」。身ぶり手ぶりを交えて力説する。

 男性が派手な女装姿でパフォーマンスするドラァグクイーンの世界でも、安室さんの人気は絶大だ。アブラマミレさんはその魅力について「強く、たくましく、美しい。そして、こびない女性像に多くが共感しているのでは」と分析する。ただ、自身は生きざまよりも「ステージの上でキラキラ輝く安室ちゃんが大好き」という。

特注した安室さんのステージ衣装のコスチューム

 ショーではもっぱら安室さんになりきる「アムコス」姿で、音楽に合わせて激しいダンスを踊る。当初は簡易な衣装だったが、より本物に近づきたいと、最近は1着数万~10万円をかけ特注のコスチュームを作る。ドラァグクイーンはあくまで趣味で本業ではなく、費用は全て自腹だ。

 県外のイベントに参加することもある。緻密な衣装のコピーにダイナミックな風貌とダンスも相まり、全国でも知る人ぞ知る存在になっている。“安室さんが好き”という共通点を持つ「アム友」の輪も広がった。

 「ただただ安室ちゃんが好きで、自分の好きなことをやっているだけ。完全に自己満足なんですけどね」。照れ笑いするアブラマミレさんは、安室さんがつないでくれたさまざまな“出会いとご縁”に感謝している。
 (当銘千絵)