老舗呉服、営業60年に幕 本部・宮城幸子さん(88) 出会いが財産


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60年余にわたり呉服店を営んできた宮城幸子さん(前列右)と長女の安枝さん(同左)、孫の慶伍さん=8月30日、本部町渡久地の宮城呉服店

 【本部】60年余りにわたって営業してきた沖縄県本部町渡久地の宮城呉服店が23日に閉店する。客足が減ったことや、店主の宮城幸子さん(88)の跡継ぎがいなかったことなどで、閉店を決めた。宮城さんは「まだまだ続けたかったが体調が追いつかなかった。苦労もしたが、やりがいのある仕事だった」としみじみと話す。

 宮城呉服店の開店は1950年代後半。75年の沖縄海洋博覧会の頃までは町民のほか、離島航路の拠点でもあった町内の渡久地港を利用する人たちも多数店を訪れるなど、にぎわったという。

 しかし名護市内に大型スーパーができたことなどから次第に客足は遠のいていった。宮城さん自身も高齢になったため、閉店を決めた。

 店では和服の他にも、洋服や化粧品を扱い、地元の人々に愛されてきた。宮城さんは「お客さんとゆんたくしながら商売してきた。たくさんのお客さんに出会えたことが一番の思い出だ」と振り返った。

 同店では23日まで閉店感謝セールを開き、婦人服や布団などを廉価で販売する。問い合わせは同店(電話)0980(47)7061。