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体育祭練習中、26人搬送 興南高校 熱中症などの疑い


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 沖縄県那覇市の興南高校で19日、体育祭のリハーサル中に熱中症とみられる症状を訴える生徒が続出し、高校1年から3年までの計26人(男子6人、女子20人)が那覇市と浦添市の病院へ救急搬送された。重症者はいなく、全員その日に帰宅した。興南学園側は「考えが甘かった」と非を認めた。那覇市消防局によると、救急車7台、ドクターカー2台が出動し、対応した。今回の事態を受け、興南学園は22日の高校体育祭と翌23日の中学校体育祭をいったん中止することを決め、今後の実施については検討中とした。

高校体育祭のリハーサルで使用された興南学園の運動場=19日、那覇市古島

 興南高校では、午前9時から全体を通した体育祭のリハーサルが行われた。学校側はまとまった休憩時間を設けず、生徒たちはプログラムの合間や自身の出番でない時間を見計らって休憩をそれぞれ取っていた。午前11時前、2年生のクラス対抗リレー後に体調不良を訴える生徒が出始めたが、学校側は救護室や保健室で休憩を取らせるにとどまり、リハーサルを続けた。

 昼食時間前、全学年女子が行ったダンスの練習中や後にも、嘔吐(おうと)やめまい、けいれんなど熱中症の症状を訴える生徒が続出した。過呼吸の生徒が出たため、学校は午後0時すぎに救急車を呼んだ。午後0時30分時点で体調不良者は10人を超えた。事態を受けて、学校側は午後のリハーサルは中止した。気象庁によると、午後0時時点の那覇市内気温は31・7度だった。

 高校3年男子生徒の話では、女子生徒らはダンス用の格好に着替え、水分補給する時間もなく運動場に出て待機していたという。女子生徒らは、体育着の上から制服を着用し、ダンスの練習に臨んでいた。取材に応じた高校3年男子生徒数人は「水分を取る時間がなかった。プログラムの待ち時間も長い」と証言した。

 学校側は「練習時は水筒を持ってくるよう指導していた。持ってきていなくても、キーパーを用意していた」と説明するも、「出番が重なる子らがおり、テントで休む時間が少なかった生徒もいた」と対応のまずさを示唆。再発防止について「水分補給を促すような統一した動きが必要だと感じた」とし、十分な休憩時間の確保や体育祭のプログラム変更の必要性に言及した。