架空の「サンゴ島」どう開発? 自然と共存 中学生議論


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架空の島の開発計画について話し合う川平小中学校の生徒ら=20日、石垣市の環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター

 【石垣】石垣市の環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで20日、架空のサンゴ礁の島をどのように開発するかを考える「サンゴ島会議」が開かれた。石垣市立川平小中学校の中学1~3年生16人が、振り分けられた役割に沿って意見を出し合うロールプレイング形式で議論し、自然と生活との共存の在り方について模索した。

 生徒らは漁師やホテル業者、公務員、自然保護団体など6職種に分かれ、川平を模した架空の島のどこに港や浄水場、発電所、ホテルなどを配置するかを議論した。

 それぞれ割り当てられた役割に沿って開発計画を主張。サンゴ礁の保護や観光上の景観、生活の利便性など多様な観点から島づくりを議論した。

 自然公園レンジャーとして意見を出した3年生の高嶺心萌(ここも)さん(15)は「どこに何を設置したいかはみんな違うが、それぞれ根拠がある意見なので(まとめるのは)難しい。でも、考えが一緒ではなくても意見を言うと共感してくれるところは楽しかった」と話した。

 「サンゴ島会議」を開いたわくわくサンゴ石垣島の大堀健司さん(51)は「(観光と開発の問題は)石垣島でも起こってきており、無関心ではいけない。自分の意見は言う、そして人の意見を聞くという話し合いを重ねて、島全体がもっと幸せになる道を模索できる大人になってほしい」と話した。

 「サンゴ島会議」は環境省の事業として、川平小中学校が年間を通じて環境などについて考える「サンゴガーディアンズプログラム」の一環として開かれた。

※注:高嶺心萌さんの「高」は旧字体