獅子、美しく毛直し あすから4年ぶり豊年祭 八重瀬・志多伯


この記事を書いた人 琉球新報社
神谷邦彦区長(手前)からやり方を教わりながら獅子の毛を付けた、新里晃世君=19日、八重瀬町志多伯公民館

 【八重瀬】八重瀬町志多伯区公民館でこのほど、区民らによって神獅子の複製獅子の毛が付け替えられた。付け替えは1995年の作製以来初めて。神谷邦彦区長(62)らの「子どもたちに伝統芸能の技術と心を継承したい」との思いから、子どもたちも一緒に付け替え作業をした。子どもたちは大人にやり方を教わりながら、獅子の胴体部分に毛を結んで付け直した。

 志多伯区では、46年に作られた区の守り神の神獅子を区内の野呂殿内(どぅんち)に祭っている。人の法要にあたる年忌の年の旧暦8月15日、16日に開かれる豊年祭にだけ姿を現す。今年は戦後3巡目の七年忌で4年ぶりの豊年祭となる。

1946年の再興以来初めて修繕した神獅子の顔=1日、八重瀬町志多伯の野呂殿内(獅子屋)(志多伯獅子加那志豊年祭実行委員会提供)

 豊年祭以外で獅子を披露する時は複製獅子を使う。今回毛を付け替えたのは複製獅子2体のうちの1体。

 子どもたちと作業をした神谷武史さん(42)は「芸能を支える物も大切にする心を子どもたちの中に育てたい」と話した。神谷区長も「大人の姿を見て、憧れたり好きになったりすることで伝統継承が可能になる」と語った。

 毛の色分け作業をした金城佑理愛さん(10)=白川小5年=は「こんなに時間を掛けて作られているなんて知らなかった」と話した。毛を付ける作業を手伝った新里晃世君(6)=同小1年=は「うまくできるかなって、ドキドキしながらやった。自分でも獅子舞をやってみたい」と話した。

 「八重瀬町志多伯獅子加那志七年忌豊年祭」が24、25の両日に開かれる。神獅子の顔も今回初めて修繕され、豊年祭に登場する。24日は午後2時、25日は4時から道ズネー、両日とも午後6時から志多伯馬場で舞台がある。問い合わせは志多伯公民館(電話)098(998)2141。