翁長雄志知事の死去に伴う第13回沖縄県知事選挙は30日、投票が行われた。即日開票の結果、県政与党が推す無所属新人で前衆院議員の玉城デニー氏(58)が、政府与党が推す無所属新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=を破って初当選を果たした。
最大の争点だった米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について玉城氏は反対を公約に掲げ、翁長知事が指示した辺野古埋め立て承認の撤回を支持している。
知事選で県民は辺野古移設反対の民意を改めて示す結果となった。辺野古新基地建設を強行してきた政府の今後の対応が注目される。
辺野古新基地建設に対し玉城氏は選挙期間中、「宜野湾市民が受ける基地被害の苦しみを名護市民に背負わせることはできない。翁長知事の遺志を継ぎ、新基地建設を阻止するために全力を尽くす」と訴えてきた。
その上で、来年2月に期限を迎える普天間飛行場の5年以内の運用停止について「政府は(運用停止の)約束を守るべきだ」と主張している。
埋め立て承認撤回に対しては「全面的に支持する。撤回は公有水面埋立法に基づき適正に判断したものだ」と指摘してきた。
このほか、玉城氏は政策で「誰ひとり取り残さない社会」の実現を目指すと宣言。「保育料の無料化」「待機児童ゼロ」「子育て世代包括支援センターの全市町村設置」「保育所整備、認可外保育施設の認可化を支援」「認可外保育施設の給食費補助」などを掲げてきた。
玉城氏は1959年10月13日、うるま市与那城生まれ。本名は玉城康裕。人気ラジオパーソナリティーとして活躍していたが、政治家を志し、2002年に沖縄市議に初当選。09年に衆院議員に初当選し、4期務めた。妻・智恵子さんと2男2女。【琉球新報電子版】