【東京】岩屋毅防衛相は2日の就任会見で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に関して「抑止力を維持しつつ、過重な沖縄の負担を目に見える形で極力減らしていくという政府方針の下に、丁寧に説明し事業を着実に進めたい」と語った。また沖縄側の理解を得る上で「さまざまな機会を通じて、対話をしていかなければならない」として、4日に知事に就任する玉城デニー前衆院議員と会談する意向も示した。
県知事選で辺野古移設に反対する玉城氏が当選した結果については「防衛省としてコメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。県の埋め立て承認撤回に対する法的措置に関しても「具体的なことについて予断をもってコメントすることは控えたい」と言及を避けた。
岩屋氏はかつて、自民党の議連で日米地位協定の改定に取り組んだ経緯があるが、防衛相としては、これまで日米間で合意された補足協定などの取り組みを積み上げることが重要だとし「あるべき姿を不断に追求していきたい」と話した。
<岩屋氏人物像>地位協定改定 訴えたことも
防衛相に就任した岩屋毅氏は、防衛庁長官政務官や自民党安全保障調査会長などを歴任し、政府や党内で長く防衛政策に関わってきた。
2002年に発足した、自民党国会議員でつくる日米地位協定の改定を目指す議連にも所属。副会長として地位協定に関し「(日米の)互いの信頼のためにも改定する必要がある」と訴え、米兵被疑者を起訴前に日米共同で拘禁することなどを盛り込んだ改定案策定などに携わった。
民主党政権下では、野党として衆院安全保障委員会で沖縄の基地問題についても多く発言している。米軍普天間飛行場問題で「最低でも県外」を掲げ迷走した当時の政権に対し「普天間を絶対に固定化させないため、少しでも前進してほしい」(12年11月)などと述べ、日米合意に基づき辺野古移設を進めるよう求めた。