奨学金返済で新ローン 沖縄県労働金庫 借換で金利引き下げ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
奨学金借換専用ローンを創設し、奨学金に関する一斉相談会の開催をPRする県労働金庫の太田徳子営業推進課長(右)と経営企画課の津嘉山航二さん=2日、那覇市泉崎の琉球新報社

 沖縄県労働金庫(高良恵一理事長)は1日、奨学金借換専用の教育ローン「kukuru」を創設し取り扱いを開始した。借り換えにより金利引き下げや返済期間を長くできる効果があり、返済負担の軽減が期待できるという。労金によると全国の労働金庫では5カ所目の取り扱いで、県内金融機関では同様の取り組みは初めてという。

 融資金額は10万円以上1千万円以内で、返済期間は20年。最長5年間の元金据え置き期間を設定できる。金利は固定で、労金会員は年1%、一般は年1・8%。さらに給与振り込みや財形貯蓄など労金と取引があればそれぞれ0・2%引き下げられ、会員は0・8%、一般は1・6%まで引き下げられる。保証人は不要で、保証料は労金が負担する。繰り上げ返済も無料でできる。

 全国的に大学などへの進学率上昇や学費高騰、家計収入の減少などを背景に多額な奨学金の貸与を受ける学生が増える一方、経済的理由で返済を延滞せざるを得ない若者も多く、社会問題となっている。

 2日、PRのために太田徳子営業推進課長と経営企画課の津嘉山航二さんが那覇市泉崎の琉球新報社を訪れた。太田課長は「給与所得は全体的に減少していて、特に就職したばかりの若年層は給与も低く返済負担が大きい」と話し「専用ローンなので、利用者にメリットがある内容になっている。負担軽減ができるかもしれないので、返済計画など悩んでいる方はぜひ相談してほしい」と呼び掛けた。

 労金では10、11月の2カ月、毎週水曜日に県庁出張所を除く各店舗で、午前9時から午後7時まで奨学金に関する一斉相談会を開く。10月21日と11月18日にも、宮古支店と八重山支店、県庁出張所を除く各店舗で午前10時から午後5時まで相談会を開く。参加は無料。