登川エイサー再興を 高校生2人が奮闘 来年こそ、「全島」目指す


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「来年は全島エイサーに出る」と、練習に励む登川青年会の平田大樹会長(左)と仲宗根冬華さん=沖縄市登川

 【沖縄】「エイサーで地域を盛り上げて、来年は全島エイサーに出たい」。沖縄市登川に伝わるエイサーを再興させようと、登川青年会で活動する平田大樹さん(18)=中部農林高3年=と仲宗根冬華さん(15)=嘉手納高1年=の高校生2人が奮闘している。青年会員は現在2人だが「地域の人に青年会があること、エイサーを練習していることを知ってもらいたい」と、青年会OBの協力を得て毎日欠かさず練習を続ける。来年の全島エイサー出場を目標に、集落に太鼓の音を響かせている。

 登川エイサーは、バチを持つ右手をダイナミックに回し豪快に表現するのが特徴。中でも「唐船ドーイ」で、大太鼓が大きくジャンプするのが見どころだ。幼少期から「エイサーの音を聞いて育った」という平田さんは「いつか自分も青年会でエイサーを踊りたい」という夢を持って、昨年から青年会に加わった。一方、仲宗根さんは子供会から参加しており、手踊りでは“ベテラン”だ。「子供会でずっとやってきたから、手踊りは体に染みついている」と音が鳴り出すと同時に、優雅な踊りを披露する。

「来年は全島エイサーに出る」と意気込み、毎日練習に励む登川青年会の平田大樹会長(左)と仲宗根冬華さん(左から2人目)=9月13日、沖縄市登川

 過去に登川青年会長を務め、現在は登川子供会長の屋宜宣芳さん(41)は「全盛期には会員も100人以上いて、他地域からの参加者もいた」と振り返る。一時期、青年会が休止していたことで、地域の青年たちは近隣の青年会で活動しており、登川青年会の活動の周知不足が課題にある。地域の人口自体は増加しているが、会員数はまだ十分ではない。屋宜さんは「地域に若い世代がいないと、活性化もしない。エイサーを復活させたいという気持ちを少しでも手助けできれば」との思いで、青年会OBたちも毎日の練習に顔を出し、平田さんと仲宗根さんの練習を応援している。

 地域からの期待も大きい。練習している時に、住民から「青年会頑張ってね」と声を掛けられることもある。青年会長を務める平田さんは「登川も人数が集まれば、他の地域のエイサーに見劣りしないほどすごい振り付けがたくさんある」と自信を見せる。仲宗根さんも「みんなで一緒に踊れるのが楽しい。来年こそは全島に出たい」と力を込めた。