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那覇市出身・幸地学さんの作品がパリの国立美術館へ

「作品が常設展示されることは、とてもうれしい」と話す幸地学さん=1日、那覇市泉崎の琉球新報社

 フランス在住で、画家で彫刻家の幸地学さん(64)=沖縄県那覇市出身=の作品45点が、パリの国立アラブ世界研究所(IMA)の美術館に収蔵されることが決まった。これまで幸地さんの作品は、フランスの市立美術館などに収蔵されたことはあるが、国立の美術館は初めてで、展示・永久保存される。幸地さんは「国際都市の国立美術館に展示されるのは、日本人、沖縄人として誇りに思う」と喜んだ。

 IMAは、アラブ諸国に関する美術品を収蔵・展示している美術館。幸地さんと画廊契約をしているクロード・ルマン氏が運営するフランス&クロード・ルマン財団所有の約1300点の作品をIMAに寄贈することになり、その中に幸地さんの作品が含まれている。

 幸地さんによると、今回収蔵されるクロード・ルマン財団の作品は(1)アラブ出身者の現代アート作品(2)「実在しない鳥の肖像」のテーマで、ルマン氏が多くのアーティストに依頼して制作された作品(3)パリに住む国際的なアーティストの作品―と三つに分けられ、幸地さんは(2)と(3)について、唯一の日本人美術家として、作品が収められることになった。


パリの国立美術館に収蔵される幸地学さんの水彩画(タイトル名なし、ⒸManabu Kochi)

 「世界的なアーティストになる」という夢を抱いて24歳でヨーロッパに渡った幸地さん。その仲間入りを果たしたことについて「夢は際限なくある。もっとキャリアを伸ばしたい」と話し、目を輝かせた。

 IMAはクロード・ルマン財団のコーナーを充実させるため、常設展示のフロアの改装も予定している。今後幸地さんは毎年15~20作品をIMAに寄贈することになるという。

 那覇市のホテルパームロイヤルナハの新館に自身の作品をレイアウトする依頼を受け、3年ぶりに一時帰国している。昨年6月にがんが見つかり、新薬の抗がん剤治療で約9カ月間、闘病生活を送ったが、帰国できるほど回復している。

 闘病中、ルマン氏に毎日デッサンすることを勧められたという幸地さんは、副作用で鉛筆さえ持ちづらい日もあった中でも、絵を描いてきた。「無意識に絵に夢中になれたのが良かった」と、振り返った。今後もフランスにとどまらず「国際的に知名度を上げたい」と話し、さらなる飛躍を目指している。
 (知花亜美)


パリの国立美術館に収蔵される幸地学さんの彫刻「実在しない鳥の肖像」シリーズ(ⒸManabu Kochi)