「共産は主義主張優先」 陳情提出書、批判と落胆 小金井市議会「普天間」意見書見送り


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 東京都小金井市議会で5日、米軍普天間飛行場の県外・国外移転を国民全体で議論し、公正で民主的な手続きを経て決定することを求める意見書の提案が見送られたことについて、意見書の議決を願っていた陳情提出者らからは、批判や落胆の声が上がった。

 公正で民主的な基地問題の解決に取り組む那覇市の司法書士安里長従氏(46)は取材に対し「暴力に等しい」と話し、提案見送りの原因をつくった同市共産党市議団を批判した。市議団は意見書提案に向けた陳情の採択では賛成したものの突然翻意。安里さんは「共産党も、沖縄にいらない基地は本土でもいらないという自らの主義主張を優先させた。沖縄の置かれている状況が可視化された」と指摘した。

 さらに「そもそも意見書は本土移設を容認しているわけではなく、普天間飛行場の代替施設が必要かも含めて民主的な手続きを経て国民で議論しようと求めるものだ」として「共産党は議論を拒んだのと同じだ」と非難した。安里氏は「リベラルな議員が多い小金井市議会でさえ共産党がこのような態度を取ると、他の地方議会にも影響する」と語り、陳情採択や意見書議決の広がりに水を差されることを懸念した。

 安里氏に相談して陳情を提出した小金井市在住で県出身の米須清真氏(30)は「市議会の各会派を回って説明し、理解を得られたと思っていただけにすごく残念だ」と肩を落とした。

 意見書の趣旨は、普天間飛行場問題を国民で議論した上で基地が必要との結論に至った場合は全国平等に候補地を協議しようというものだと指摘。米須氏は「国内移設ありきという共産党の誤解を取り払い、市議や市民に理解を広げていきたい」と話した。