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南(石川高)やり投げV 佐渡山重量挙げ制す 福井国体

 【福井国体取材班】第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」は7日、福井県で各競技を行い、陸上の少年男子Aやり投げで南辰貴(石川高)が66メートル12で逆転優勝した。重量挙げ女子53キロ以下級の佐渡山彩奈(宮古工高―平成国際大出、いちご)がスナッチ81キロ、ジャーク96キロ、トータル177キロを挙げ、頂点に立った。少年男子77キロ級の津波古充矢(沖縄工業高)はスナッチ117キロ、ジャーク135キロ、トータル252キロで準優勝だった。

 南は「セカンドベストの記録も出せて、うれしい」と充実感をにじませた。佐渡山は「優勝できてうれしい。自信になった」と笑顔を見せた。津波古は「全部出し切った。うれしいです」と話した。

◆鋭鋒 頂点に立つ 決めた最後の一投/やり投げ少年男子・南 辰貴


陸上少年男子Aやり投げ 66メートル12の記録を出した6投目のやりを放つ南辰貴=7日、福井県営陸上競技場(ジャン松元撮影)

 少年男子Aやり投げの最終投てきを残し、3位につけた南辰貴(石川高)。「記録よりも試合を楽しんでやる」意識で自然と笑顔になる。テンポのいい助走から放たれたやりが福井の空にまっすぐな軌道を描くと、優勝を確信し、両手を掲げた。観客席の県選手団も思わず立ち上がる。66メートル12のアナウンスと同時に「よくやった」と歓声の上がる観客席に向かい、南は喜びを爆発させた。

 9月の県高校新人体育大会で左脇腹を痛め、投げる練習ができず、痛みと不安を残したままの大会だったが、「やりが軽く感じた」と2投目で63メートル00のビッグスロー。3位で後半へ進んだ。

 あとは強い向かい風にうまく乗せるかが鍵だった。投げる位置やクロスステップのテンポ、リリース位置を5投目までに修正。さらにやり先をすこし下げることを意識した6投目、全てがうまく決まった。後半3本で記録を残せる勝負強い南の6本目は、高校2年の時に出した自己ベスト(66メートル21)を再現するような投てきだった。

 60メートル超を投げる全国上位のランカーだが、これまで結果が残せなかった。今季は助走距離を変えてフォームを崩す苦しい時期もあっただけに、そばで指導を続けた石川高の上運天誠監督は「本当によくやった。本当に」と思わず目を潤ませた。南も「自己ベストではないが、結果で恩返ししたかった」と達成感をにじませた。

 本格的に競技を始めて3年で全国の頂点。次に目指すのは19日からのU20日本陸上競技選手権大会。「雰囲気にのみ込まれず、目標にしている70メートルを出したい」と新しい世界の扉を開きに向かう。
 (屋嘉部長将)

◆佐渡山、復活 女王の座/自信と余裕、笑顔こぼれる


女子53キロ以下級 スナッチ81キロを力強く差し挙げ、笑顔の佐渡山彩奈=7日、福井県の小浜市民体育館(喜屋武研伍撮影)

 けがから復活した成年女子53キロ以下級の佐渡山彩奈(宮古工高―平成国際大出、いちご)がスナッチ1位、ジャーク2位と安定、圧巻の試技で女王の座をつかみ取った。自信ある様子で試技台に堂々と立ち、シャフトを握り一気に差し挙げる。スナッチ3本目の81キロを成功させると白い歯がのぞいた。「まだいけたかも」。新女王は余裕たっぷりの表情で言い切った。

 7月に突然「肉離れみたいな、原因が分からない」腹部の痛みが出た。1カ月間はバーベルを握れず、アジア大会(8月)は11位に終わった。その後、周囲のサポートで徐々に調子を上げてきた。

 今大会は「記録のことも、他選手のことも考えない」自分との戦いと位置づけて臨んだ。スナッチは77キロ、79キロ、81キロを危なげなく3本とも成功させた。けがによる不安はもうなく、3本目は「うれしくて、思わず」と、差し挙げた後は笑顔だった。

 続くジャークの1本目、96キロは「(スナッチの成功で)油断してしまった」とひじが曲がり、プレスアウトを取られた。平良真理コーチの「腹圧がかかっていない。あとは自分を信じてやって」との助言もあり、気持ちを切り替えた2本目に96キロを成功させた。

 11月は、東京五輪の選考に関わる世界選手権へ初出場する。「今日以上の記録を出して、(東京五輪まで)ポイントを積み上げたい」と、2年後をしっかり見据えている。
 (喜屋武研伍)