【伊江】伊江島土地闘争で故阿波根昌鴻さんらが米軍への抵抗運動の拠点としてきた伊江村真謝区の「団結道場」は9日から、老朽化した建物の補修工事を始めた。補修には約1千万円の費用がかかるため、同村で阿波根さんの思いを受け継ぐわびあいの里(謝花悦子理事長)と有志らが伊江島団結道場保存会を立ち上げ、寄付を募っている。謝花理事長(80)は「伊江島の闘いのシンボルを後世に残したい」と協力を呼び掛けている。
団結道場は1970年に完成した。土地闘争における非暴力の闘いの歴史と思想を学ぶ場として活用されてきた。建物内には「伊江島土地を守る会」の活動を支援した個人や団体名が掲げられ、初公選主席の屋良朝苗、元国際人権連盟議長のボールドウィンなど、幅広い顔ぶれが並んでいる。
建物は老朽化でコンクリートの剝離や落下が見られるようになり、補修工事は来年3月の完了を目指す。期間中は建物の中を見学できない。
わびあいの里の高垣喜三理事(69)は「伊江島の非暴力の闘いを記録している歴史的建造物。後世に残すべきものだ」と道場保存の意義を語った。謝花理事長は「戦後の基地問題は伊江島から始まった。その記録がここにある」と強調した。
寄付は個人一口2千円、団体一口1万円から。口座はゆうちょ銀行「一般財団法人わびあいの里」 記号17010、番号20371481。問い合わせは、わびあいの里事務局(電話)0980(49)3047。