玉城知事「民意踏みにじるもの」 国の法的対抗措置を批判 対話による解決策模索


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記者団の質問に応じ、国の法的対抗措置について「民意を踏みにじるもの」と怒りをあらわにする玉城デニー知事=17日午後4時40分すぎ、県庁

 玉城デニー知事は17日午後4時40分から県庁で記者団の質問に応じ、辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に対する政府の法的対抗措置について「安倍総理や菅官房長官に対話による解決を求めたわずか5日後に対抗措置を講じた国の姿勢は、県知事選で改めて示された民意を踏みにじるものであり、到底認められるものでない」と厳しく糾弾した。

 玉城知事は終始険しい表情を浮かべ、怒気をはらんだ口調で県の考え方を述べた。行政不服審査法に基づき国土交通相へ救済を申し立てた国の判断について「国民の権利利益の救済を目的する法律であり、国が用いることは制度の趣旨をねじ曲げた、違法で、法治国家においてあるまじき行為と断じざるを得ない」と指摘した。

 また、2015年の承認取り消し処分時には翌日に処分の執行停止を申し立てながら、今回は撤回による工事の停止から1カ月半以上が経過していることに対し「(撤回の執行停止に)緊急の必要があるとは到底認められない。仮に国交相により執行停止決定がなされれば、内閣の内部における自作自演の極めて不当な決定と言わざるを得ない」と牽制した。

 また、対抗措置に対する県としての今後の対応を検討するとした一方で、「安倍首相に早急に話し合いの場を設けてほしいと訴えたところであり、引き続き対話を求めていく」と対話により解決策を模索する姿勢も強調した。

 国民、県民への呼び掛けとして「国民は、沖縄の民意に対する現在の政権の向き合い方があまりにも強権的であるという、この現実のあるがままをみてほしい、辺野古に新基地は造らせないという公約に実現に向けて、全身全霊で取り組む」と強調した。【琉球新報電子版】