「市民の幸せ 一番に」 再選した城間さん誓い新た 故翁長さんの思いかみしめ


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
再選を決め、玉城デニー知事ら(手前右)とカチャーシーを踊る城間幹子さん(同左)=21日午後8時2分、那覇市松山の選挙事務所(大城直也撮影)

 良し、良し、良しっと何度も拳を握りしめた。午後8時、テレビが「当選確実」を伝えると、再選を決めた城間幹子さん(67)はガッツポーズを見せ、那覇市松山の選挙事務所は歓声と指笛、拍手が湧き起こった。笑顔とカチャーシーに包まれた城間さんは「那覇市の“お母さん”として、市民の幸せのために懸命に働く」と力強く誓った。

 4年前、那覇市初の女性市長として当選した。翁長雄志前知事の後を継ぎ、協働のまちづくりを発展させてきた。一方で翁長市政継続の色が強く、「城間カラーは何か」と問われることも多かった。

 「得意分野は教員経験を生かした教育・子育て。苦手な部分は職員や市民と補完し合う」。自身のリーダー像をつくりあげていった。

 「頑張りなさい」。2期目の出馬を表明した7月24日、翁長さんからそう声を掛けられた。約2週間後、中学高校の同級生でもある翁長さんが急逝。まぶたが腫れるほど泣きはらした。告示日、翁長さんの後援会から「翁長カラー」である緑のリボンを託された。「お守り」にと、選挙戦ではいつもたすきに着け、選挙戦を戦った。

 公務の合間を縫って遊説やあいさつ回りをこなし、多い日は1日に20カ所以上で演説。「実績がない」との批判には「市民は分かってくれているはずだ」と市民を信頼した。終盤は夕食が口に入らないほど疲れがたまっていたが、市民からの「頑張って」「応援してるよ」の声を受け、小柄な体で市内を駆け回った。

 当選の報を聞いた時、白いハンカチを握りしめ、静かに開いた。緑のリボンがのぞいた。支持者と抱き合った城間さんは「平和でなければ市民の幸せは実現できない。温かで優しい市政運営をしていく」と柔らかな笑顔を見せた。