一括金確保へ県内連携 那覇市長当選者 城間幹子氏に聞く


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那覇市長選で再選を果たし、抱負などを語る城間幹子氏=22日、那覇市泉崎の琉球新報社

 21日の那覇市長選で再選を果たした城間幹子氏(67)は22日、那覇市泉崎の琉球新報社で普久原均編集局長のインタビューに応じた。城間氏は減少傾向にある一括交付金の確保に向け「県内の市町村で力を合わせて国に訴える必要がある」との見解を示した。

 ―勝因は。

 「誇りある豊かな沖縄県を目指している玉城デニー知事の思いと一緒に私が風格ある県都那覇市をつくると訴えてきた。市民がそれを評価したならうれしい。1期4年の実績の評価が選挙の争点で、このような票を頂いたことは大変ありがたく身が引き締まる」

 ―2期目に重点的に取り組みたい政策は。

 「待機児童ゼロに向け、保育士確保、保護者ニーズへのマッチング、子どもの貧困対策も県と連携して続ける。協働によるまちづくりを土台に、那覇市に住み続けたいと思ってもらえるよう取り組む」

 ―久茂地小学校跡地への新文化芸術発信拠点施設(新市民会館)建設で交通渋滞を懸念する声がある。

 「交通渋滞は課題だ。車線や信号の配置を変えるなどして対応したい」

 ―新市民会館や那覇市立病院の建て替えなど大型の公共事業が続く。財源の確保は。

 「財源の確保の一つに一括交付金など国の支援がある。一括交付金が減らされている中、県内市町村として力を合わせて国に訴える行動が必要だと思う。市立病院建て替えは起債に頼らざるを得ないが、将来の負担を増やさないよう、活用できる国庫補助のメニューがあるかも検討したい」

 「民間委託など、利益を生み出すためにどのような方法があるかを検討し、財源を縮小する。中期財政運営方針を打ち立て、財政の状況を判断している。歳出も抑制し安定的に運営していきたい」

 ―那覇軍港移設にどう取り組むか。

 「県全体にとってどの位置がいいか考えるべきだと思う。県、那覇市、浦添市の3者で政治決断をするのではなく、決めるのは移設協議会だと考える」

 ―選挙戦では、教員経験や女性の視点を訴えた。政策にどう生かすか。

 「女性の管理職を増やし、ワークライフバランスに取り組み、女性が働きたい役所にしたい。LGBTも人権問題として取り組んだ。自分の存在が大事にされているという感覚を持つ市民を増やしていきたい」

 ―玉城県政との連携は。

 「LGBTのことや玉城県政の『誰も取り残さない』との訴えなど、市民や県民に共通の部分が根底にある。平和や沖縄の在り方に関する考え方が政治的に結び付いている」

 ―投票率が50%以下だ。

 「本当に残念だ。要因はこれから分析したい。得票率は前回よりも上回っており、1期4年の評価を頂いたと考えている」

 ―副市長人事は。

 「(現副市長の)任期を待って急がずに考える」