重度知的障がい 仲村さん受験「県教委の対応不十分」 調整委が助言


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 「県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例(共生社会条例)」に基づく調整委員会は23日までに、重度知的障がいがある北中城村の仲村伊織さん(15)が、特別支援学校ではない県立高校を受験し不合格になったことを受けて父・晃さん(52)が行った申請に対し、「県教育委員会の対応は不十分な点があった」などとする助言を出した。

 仲村さんはことし4月、学力検査を受ける際に意思疎通の支援などに配慮を求めたが認められなかったとして、県立高校の入学者選抜要項について、重度知的障がい者への能力の評価方法を障害者権利条約に従って改めるよう申請した。

 助言は10月11日付。調整委は、障がいがある生徒の学力検査では一般入学の出願期間より前倒しで配慮に関する文書の提出を求めて生徒や保護者と協議することや、障がいの特性に応じた意思疎通支援をすることなど3点を県教委に提言した。

 母・美和さん(50)は「調整委員会の提言に強制力はないと聞いているが、望んでいた形で提言が出て良かった。県教委には配慮の本質をあらためて考えてほしい」と語った。

 調整委員会は、障がいがある当事者や家族、有識者らで構成される。障がいを理由とする差別事例が申請された場合には、委員会で協議し、助言やあっせんを行う。