「いつもみんなのそばにいるよ」 がんで急逝した名護市の名物保育士「まちこ先生」キャラクターに


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運動会で子どもたちと触れ合う「まちこ」(左端)=6日、名護市の大中公園(あい保育園提供)

 【名護】沖縄県名護市大中のあい保育園(山川直子園長)でこのほど、イメージキャラクター「まちこ」が誕生した。モデルは元職員で、今年4月に急逝した比嘉町子さん(享年63)だ。名物保育士として、園児や保護者に親しまれた比嘉さん。今月6日の運動会で「まちこ」が披露された。山川園長は「保護者らは『また町子先生に会えた』と、涙を流して喜んでくれた」と話した。

 比嘉さんは1995年の開園当初から勤務し、亡くなる直前の今年2月まで働いた。主任も務め、子どもたちや後輩職員にも時に厳しく、時に優しく接した。

 山川園長は「裏表のない性格で、とても慕われていた。名護の保育士で(彼女を)知らない人はいなかったと思う。私の片腕のような存在だった」と比嘉さんをしのぶ。

比嘉町子さん(あい保育園提供)

 比嘉さんら職員は、卒園生らとも交流を続けていた。卒園生の小学校卒業と成人式に合わせて、同窓会も開いた。比嘉さんが4月に膵臓(すいぞう)がんで急逝した際も、卒園生ら千人以上が葬儀に駆け付けたという。

 比嘉さんが亡くなった直後「町子先生がいたことを残したい」という声が保護者や卒園生らの間で上がり、キャラクターとして着ぐるみ制作がスタートした。

 着ぐるみは、比嘉さんが運動会で仮装をした姿を再現した。制作は元保護者の田中隆史さん(58)=名護市立羽地中学校校長=が担当した。田中さんは「若い頃の町子先生をイメージして作った」と振り返った。

 お披露目された大中公園での運動会では、保護者リレーで役員チームのアンカーを務め、園児たちも笑顔を見せていた。

 「まちこ」は11月12~16日に、イオン名護店で開く保育園の様子を紹介する写真展にも登場する予定だという。