読谷産チーズ 全国銀賞 沖縄の生乳使い製造


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 【読谷】読谷村長浜にあるギリシャ料理店「リトルグリークキッチン」が販売しているチーズ「マリネード読谷ティリー」が、10月20日に東京都で開かれたジャパンチーズアワードのフレッシュ・バラエティー部門で銀賞に輝いた。同店の別のチーズ「読谷ティリー」もフレッシュ・プレーン部門で銅賞に選ばれ、オーナーシェフのパメラ・アンさんは「受賞はうれしい。感謝している」と笑顔を見せた。

ジャパンチーズアワードで銀賞と銅賞を獲得したパメラ・アンさん=読谷村長浜

 ジャパンチーズアワードは、2014年から2年に1度、日本産ナチュラルチーズの品質向上を目的に開かれている。今大会には全国の78工房から233点が出品され、一般審査員と生産者審査員の約70人が審査した。県内からは第1回大会で、はごろも牧場(中城村)のチーズが銅賞に選ばれている。

 米国生まれのパメラさんは、ネイリストとして働いていた時、ギリシャ人の上司との出会いをきっかけに「ギリシャの全てが好きになった」という。2016年、県内に住む友人とギリシャ料理の店を読谷村にオープンした。

 ギリシャでは羊やヤギの生乳で作る「フェタチーズ」が一般的だが、パメラさんは南城市の「親泊牧場」で飼育されている牛の生乳を使って、ギリシャチーズの独特の風味を再現した。銀賞のマリネード読谷ティリーは、銅賞の読谷ティリーを県産やギリシャ産のハーブやスパイス、オイルにつけた商品だ。

 ティリーはギリシャ語で「チーズ」の意味。ギリシャで6年間生活した経験もあるパメラさんは「元々は子どもたちのために作り始めた。沖縄の人たちにもギリシャの良さを知ってほしい」と語る。

 現在、ギリシャの大学に在籍するパメラさんはテレビ電話などを通して、乳製品の研究をしている。今後はカマンベール風のチーズの開発にも取り組みたいとし、「次は金賞をとりたい。沖縄の生乳でもおいしいチーズはできる」と話した。