「ずさん対応」市を批判 浦添・除草剤散布 市民、不安と不信


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 浦添市の浦添運動公園(ANA SPORTS PARK 浦添)の遊具広場周辺に除草剤が散布された問題で、小さな子どもがいる家庭や近隣住民らに不安と不信が広がっている。「知らなかったでは済まない。あまりにずさんだ」と市の対応を批判。立ち入り禁止措置や早急な説明を求める声が相次いだ。

 「健康被害が出れば誰が責任を取るのか。市の対応が遅すぎる」。同市のNPO法人職員、水上実穂さん(35)が憤った。4歳の息子が浦添運動公園近くの保育園に通っている。除草剤散布後も、園児らは散歩やお弁当会で浦添運動公園を訪れた。除草剤散布に関し、市から保育園に説明はないという。新聞報道後、水上さんは散布された除草剤「ラウンドアップ」について調べ、「もうあの公園には子どもを連れて行けない」と思った。今年8月、ラウンドアップが原因で悪性リンパ腫を発症したと訴えていた米国男性に対し、米サンフランシスコの裁判所はその主張を認めた。オランダでは販売禁止という。

 浦添運動公園のすぐ近くに住む男性(75)も「子どもへの影響が心配」と話す。市は10月31日、ホームページに「お詫(わ)び」を掲載したが、近隣住民にも直接の説明はない。男性は「業者に丸投げではなく、週1回でも市が巡回していたら、今回の問題は起きていなかったのではないか」と批判した。

浦添運動公園内の広場に除草剤がまかれた件で記者会見し謝罪する松本哲治浦添市長(右端)ら=1日午前、浦添市役所