沖縄県立博物館・美術館による南城市サキタリ洞遺跡(観光施設「ガンガラーの谷」内)の発掘調査で、県内最古となる5500年前の赤色顔料が発見されたことが、31日までに分かった。これまで沖縄では縄文時代後期(約3500年前)以降の赤色顔料利用が確認されていた。県立博物館・美術館は「今回の発見によって、沖縄における顔料利用の歴史が大きくさかのぼることが明らかになった」と説明している。
今回確認された赤色顔料は、2011年度の調査で出土した砂岩のれき表面に付着していた。赤色の粉末状で、理化学分析(蛍光エックス線分析)の結果、鉄が含まれていることを確認。調査区からは約5500年前のものと考えられる条痕文(じょうこんもん)土器が見つかっており、赤色顔料も同時期のものと判断できるとしている。
今回発見されたサキタリ洞遺跡出土の赤色顔料が付着した砂岩のれきや、北谷町伊礼原遺跡出土の曽畑式土器を展示する展示会が、北谷町のちゃたんニライセンター(3日~12日)と県立博物館・美術館(22日~来年1月20日)でそれぞれ開かれる。