プロ野球界に29人いる沖縄県出身者(9月末現在)を中心に、県内の野球少年の育成を図っていこう、と10月末までにプロ野球沖縄県人会が立ち上がった。旗揚げの取り組みとして12月8日、浦添市の「ANA BALL PARK浦添」で「第1回ベースボールフェス」を開催する。現在、浦添市出身の又吉克樹投手(中日)の参加が決まっており、日本ハムの上原健太投手らその他の県出身選手にも参加を呼び掛けている。
又吉投手は「プロ野球沖縄県人会の設立を大変うれしく思います。現役の県出身選手と共に、さまざまな形で子どもたちや県民に恩返しをしていきたい。そのような活動を沖縄県人会を通して継続的に行っていきたい」とコメントした。
発起人は、プロ野球選手の沖縄自主キャンプなどを手掛けているイベントプロデュース業(名護市)代表の金城諒さんとプロスポーツ選手との親交があり、東京と沖縄でスポーツマネジメントに従事している渡邊潤さん。金城さんが県人会運営事務局の事務局長として、県内窓口を担う。
ほとんどの選手が活動に賛同しており、県人会としてのイベント実施日に参加可能な選手が協力し、子どもたちと交流を深める。
当面は現役選手を中心にオフなどでのイベントに取り組むが、将来的には現役を退いた選手らにも理解を得ながら、活動の幅を広げることが目標。引退後の働く場所の提供など、セカンドキャリアを支援し、プロ選手が自ら発信者として積極的に地域スポーツの振興に努めていける環境づくりを目指す。
会ではスポーツを通した少年少女の育成を掲げており、金城さんは「地域のスポーツ振興のモデルケースとなるようにしたい」と展望している。
同様の活動は現在、滋賀や愛媛、静岡など数カ所で取り組まれている。沖縄県人会は昨年立ち上がった静岡県人会を参考にしながら進められてきた。来年以降はプロ野球教室やトークショー、講演会など、年間を通したイベントの実施を図っていく。 (外間崇)