「不登校、一人で悩まないで」 親ら「おきなわ子どもを守る会」結成


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「おきなわ子どもを守る会」の方針などを話し合う親や教育関係のメンバーら=1日、那覇市の県民間教育研究所

 子どもの不登校に悩む沖縄県内の親や教育関係者らが5日までに、「おきなわ子どもを守る会」(小林嘉則代表)を結成した。那覇市の県民間教育研究所で毎月第一木曜日に話し合いを持つほか、日常的にはLINEで思いを共有し、子どもにとってよりよい学校や社会のあり方を模索する。事務局長を務める元教諭の長堂登志子さんは「学校の問題は多岐にわたる。どうしたら子どもも教員も幸せになれるかを探っていきたい。一人で悩まないで連絡して」と参加を呼び掛けた。

 「一人で車の中で泣いたこともある」。小学生の息子が学校に行けなくなった母親(43)は、同級生の保護者はおろか家族とも思いを通わせられず、役立つ情報をネットで探し回った。県内で開かれた不登校に関する講演会の記事をたどって、かつて不登校に苦しんだ當眞幸子さん(同会会計)を探し出し、「やっと話せるところができた」。

 長堂さんの下にも、子どもの不登校や学校での問題に悩む親たちからの相談が寄せられ、数人が集まって話し合うようになった。仲間は口コミでさらに広がり、LINE上で思いを打ち明ける人、名前だけ連ねる人と約30人になった。参加者からは「もやもやしていた疑問が言葉になった」「自分を責めてしまう気持ちも共有できた」などの声が上がった。メンバーらはさらに「子どもの幸せを第一に、共に考え、行動しよう」と会を結成した。

 親たちからはいじめ、部活での過剰な指導、宿題やテストのあり方、教員の対応などの問題を指摘する声が上がる一方、教職員自身も長時間労働が問題となり県内は病気休職率も特に高い。長堂さんは「教師も追い詰められている。行政にも働き掛けたい」と話した。問い合わせは長堂さん(電話)090(1084)3004。