沖国大産業総合研究所第27回フォーラム「沖縄のクルーズ観光と地域的対応」(同研究所主催、琉球新報社共催)が11日、沖縄国際大学で開かれた。
日本クルーズ&フェリー学会前会長の池田良穂大阪府立大学名誉教授が基調講演し、世界的に1泊1万円台からの安価なカジュアルクルーズ需要が爆発的に増えていることを強調し、14兆円の巨大市場をどう取り込むかが課題だと提起した。
池田氏は日本では伝統的なラグジュアリークルーズや探検クルーズのイメージが強いが「世界市場は合わせても4%程度で、カジュアルクルーズが80%を占めている」と説明。各社ともコストを抑えるために大型化を進めており、最大級のクルーズ船は一度に6千人が乗船できるようになっていると紹介した。
その中で、中国を拠点とした定点定期クルーズが増えており「10年ほどでゼロが240万人になった」と強調した。
2030年には1千万人市場に成長すると見込んだ。特に中国南部の厦門や香港からの出航が増えており、距離的な近さからも「沖縄が選ばれている」と指摘した。
その後、パネリストの同大の比嘉正茂准教授、田口順等准教授と中部広域市町村圏事務組合の仲宗根亨氏、同事務組合クルーズ船アドバイザーの荻野利明氏、吉川太朗氏が報告した。クルーズ観光と沖縄振興や着地型観光商品の開発について紹介した。
さらに池田氏とパネリストに、コーディネーターの同大の兪炳強(ゆへいきょう)教授が加わりパネル討議が行われ議論を深めた。