「北海道は元気です」 地震被災地応援ツアー 辺土名出身・佐々木さん 県人へ訪問呼び掛け


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北海道に来てと呼び掛ける丸駒温泉の(右から)佐々木義朗社長と妻の千明さん=12日、北海道千歳市支笏湖湖畔の売店「メメール」前

 【千歳市で田吹遥子】国頭村辺土名出身の佐々木千明(=旧姓仲本)さん(56)は、北海道千歳市の支笏湖湖畔で旅館や土産品店を経営する丸駒温泉に嫁ぎ、カフェ・土産品店「メメール」の店長を務めている。9月の北海道地震の影響で観光客が減っていた丸駒温泉。北海道応援ツアープロジェクトで参加者が沖縄県内から訪れたことに「うれしい。ありがたい」とはにかみながら話した。

 佐々木さんは約30年前、国頭村のオクマプライベートビーチ&リゾートで働いていた際に、同僚だった義朗さん(55)と出会い結婚した。1988年、義朗さんが家業を継ぐため、共に北海道に渡った。義朗さんは現在、丸駒温泉の4代目社長を務め、約60人の社員を束ねる。

 9月6日に北海道胆振地方中東部を震源地とする地震が発生。支笏湖周辺も大きな縦揺れに見舞われた。丸駒温泉旅館などは自家発電のため停電はなく営業に支障は出なかったが、地震を懸念した観光客らからのキャンセルが相次ぎ、地震発生日だけでも千人からキャンセルの連絡が来た。

 結局、9月の宿泊客は例年より1500人減に。義朗さんは「非常に大きな痛手」と振り返る。千歳市によると、支笏湖周辺の宿泊施設は9月だけで3300人がキャンセルした。被害総額は5千万円に上った。

 そんな時に2人が励まされたのが沖縄に住む元同僚らからのメールだった。沖縄を台風が襲来した時はジンギスカンを送るなど、互いにやりとりを続けている。今も通常通りに営業を続けており、客足も戻ってきた。佐々木さんは「北海道で沖縄のイントネーションを聞くとうれしくて懐かしい」と笑顔を見せる。「北海道は元気です。沖縄のみなさんぜひ来てください」と呼び掛けた。