経済

外国人労働者数、過去最高も「高度人材」定着に苦慮 沖縄県内 単純作業、低賃金…改善点多し

フロントで宿泊客を案内するKPGホテル&リゾートの外国人社員のタマン ジャイ・クマーさん=10月24日、沖縄市のオキナワグランメールリゾート

 沖縄県内の外国人労働者数は過去最高(2017年10月末現在7310人)を記録したが、専門的な技術や知識を持つ「高度人材」の雇用と企業への定着に課題が残されている。高度人材として需要が高い中国から、県内の大学へ留学する学生が減少している。近隣諸国の経済成長に伴って、県内就職を希望する外国人の高度人材も少なくなっている。高度人材を単純労働に従事させるケースもあり、定着率を高めるために改善点は多い。

■県内就職を敬遠

 県内大学を卒業する外国人留学生らが県内企業への就職を敬遠している。

 外国人留学生の就職支援事業などを手掛けるNiche(ニッチ、那覇市)の次呂久由利恵代表によると、県内大学に来る求人情報では、県内観光関係企業の外国人の平均月給は15万~16万円ほどとなっている。

 一方、中国や韓国で日本語人材の平均月給が高まっており、次呂久代表は「上海や北京など中国主要都市では、日本語人材の平均月給がすでに沖縄を抜いている」と語る。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)によると、ソウルの中規模企業でも初任給は月25万円を支給しているという。

 昨年ニッチの紹介を通して内定した県内大学の中国人留学生2人は、待遇面などを考慮し、自国のほうがいい就職ができることを理由に、2人とも内定を辞退した。次呂久代表は「(外国人の高度人材への)月給はせめて17万~18万円が欲しい。これぐらいがないと彼らは生活ができない」と指摘する。

■安価な労働力

 外国人の高度人材を安価な労働力として扱う意識が県内企業には根強くある。

 琉球大学国際教育課の東香純国際教育係長によると、高い専門知識が必要とされる通訳や翻訳の仕事で、アルバイトと同等の感覚で留学生を募集したいという相談件数は毎月3件ほどある。東係長は「県内企業は専門知識を安易にアルバイト感覚で求めすぎる。そこにミスマッチも生じやすい」と話す。

 ニッチの次呂久代表は「外国人材に現段階で任せている仕事の期間を示すことが大事で、採用時にあらかじめ業務内容を説明し、理解をしてもらうことが欠かせない」と指摘する。

 現在、外国人社員20人(海外支店などを除く)を雇用しているダイビングショップ県内大手のシーサー(那覇市)。人事を担当する事業開発課の斉藤佳祐課長は「以前、ある外国人社員と意見が割れて、日本人のやり方を押しつけてしまったことで、その社員は会社を辞めた」と振り返った。これを機に同社は現在、外国人材と上司の定期的な面談を行い、互いのコミュニケーションの促進に注力している。

 沖縄地区の全社員の約8%が外国人のKPGホテル&リゾート(大阪)は、外国人社員の昇級を日本人社員と平等に扱うほか、社員寮の提供など外国人材の定着にさまざまな工夫を行っている。田中正男社長兼COOは「外国人材は優秀で向上心もある。今後も積極的に採用していきたい」と意欲を示す。

 外国人材の定着に向けて、次呂久代表は「日本語と外国語をバランスよく使えるような業務内容を工夫するほか、あらかじめ彼らに業務内容の確認、将来ビジョンの共有、異文化理解・コミュニケーションが重要だ」と指摘する。「一つ一つ意識していくことで、外国人の定着にもつながる」と強調した。
 (呉俐君)



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