[知事訪米]米識者「米のアジア戦略変化」 玉城知事、辺野古移設問題などワシントンで意見交換


この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
世界的な安全保障環境などを巡りブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン上級研究員(右)と意見を交わす玉城デニー知事=現地時間13日、米ワシントン(県提供)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設阻止を訴え、訪米中の玉城デニー知事は13日午後(日本時間14日午前)、首都ワシントンで現地の有識者と相次いで会談した。面談したのは、ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン上級研究員、外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員、米ジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ准教授。アジア情勢の変化や米国の戦略、辺野古新基地建設を巡る沖縄の動きなどについて意見交換し識者からは「辺野古の問題はアジア全体の問題」などの見方が示された。

 14日は国務省、国防総省の担当者や米連邦議員、杉山晋輔駐米大使との会談を予定している。玉城氏は「政府、議会関係者に対話のチャンネルをつくるべきだと申し入れたい」と、沖縄、日本、米国の3者協議を求める考えを示した。

 13日の会談は非公開で行われた。

 辺野古移設の代替策を提起したこともあるオハンロン氏は、普天間返還合意から20年余りがたつ中、米中関係や北朝鮮問題など国際情勢は変化し「(以前は)普天間、辺野古の問題は非常にフォーカスされた問題だったが、今はアジア全体を含めた広い地図の中で、パズルの一つのピースのようになっている」と述べたという。代替策を提起した当時と、国防総省のアジアなどの戦略や方針も変わっていると説明した。

 スミス氏はオバマ前政権とトランプ政権の違いや、米中間選挙結果に伴う「ねじれ議会」の今後の影響について見解を示し、モチヅキ氏は日米同盟の現状などを説明したという。

 玉城氏は県の埋め立て承認撤回と、それに対する国の承認撤回の効力停止や、国が埋め立て土砂の搬出場所に予定していた本部港の岸壁が台風で破損している現状などを伝え、「辺野古に新しい基地を造らせないということを変えることなく、対話の糸口を見つけられるよう努力している」と話した。