豚コレラ侵入防止対策を確認 衛生管理徹底を 関係者が会議


この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
豚コレラなどの侵入防止対策について説明する県畜産関係部署の職員ら=19日、那覇市古波蔵の県畜産振興公社

 沖縄県畜産課は19日、家畜伝染病の豚(とん)コレラとアフリカ豚コレラに関する侵入防止対策会議を那覇市古波蔵の県畜産振興公社で開いた。岐阜県の豚農場で確認された豚コレラや、隣国の中国で感染が拡大するアフリカ豚コレラが県内に持ち込まれるのを防ぐため、畜産関係団体が参加して防疫対策を確認した。県は農場の飼養衛生管理の徹底を呼び掛けた。

 豚コレラは、豚やイノシシの病気。感染した豚は高い確率で死に至る。感染力が高いため、口蹄疫(こうていえき)と同様に家畜の殺処分や移動制限があり、感染すれば養豚業に大きな被害を与えると懸念される。人に感染することはなく、農林水産省によると感染豚の肉は市場に出回ることもない。

 岐阜県で今年2例目の豚コレラ感染が16日に確認された。別のウイルスで豚コレラと似た症状を引き起こすアフリカ豚コレラは、中国で8月に発生してから感染が収まらず、16日までの3カ月間で15省、1区、2直轄市の計78カ所で感染が拡大している。10月には新千歳と羽田で、中国からの旅客が持ち込んだ豚肉ソーセージと自家製ギョーザから、ウイルス遺伝子が検出されるなど、国内でも感染のリスクが高まっている。

 県畜産課防疫衛生班の津波修班長は「動物検疫など水際での防疫をしているが、侵入のリスクはある程度想定される」と指摘した。岐阜県で確認されたウイルスは病原性が弱いとし、「農場の管理をしっかりやれば、侵入を防ぐことができる」と述べた。異常や気になることがあった場合は、各地の家畜衛生保健所や県畜産課への相談を呼び掛けた。