【うるま】米軍は20日午後、沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域で、パラシュート降下訓練を実施した。訓練は8月29、30日の両日に実施されて以来、今年9度目。午後3時から同42分まで3回に分けて、MC130輸送機から兵士8人の降下が確認された。
米軍による同水域での訓練は2017年から増加しており、同年は計9回の降下訓練が確認された。今年は1月18日に訓練が確認されて以降、今回で昨年の訓練回数に並んだ。
同水域周辺には、漁船や本島と津堅島を結ぶ定期船も運航しているため、県や市は同水域で降下訓練をしないよう、訓練のたびに抗議している。訓練の予告を受け県の金城典和基地対策課長は19日、沖縄防衛局に対し、「地元自治体や議会なども繰り返し中止を要請しているにもかかわらず、訓練を強行することは大変遺憾だ」と訓練中止を米軍に働き掛けるよう求めた。
うるま市議会は8月の訓練実施を受けて、訓練中止を求める抗議決議と意見書を9月定例会で全会一致で可決。米軍や日米両政府に訓練中止のほか、日米合同委員会で訓練を行わないことを明記するよう求めた。
うるま市議会基地対策特別委員会の又吉法尚委員長は「昨年から訓練がひどくなり、市民に不安を与えている。事故が起きてからでは遅い」と批判。「何度抗議しても変わらない状況で、抗議が現場の指揮官まで届いているのか疑問だ」と話し、何らかの対応が必要との考えを示した。21日以降、委員会を開催し、抗議決議などを検討する。