理不尽 50年変わらず 不屈館 B52墜落50年展 瀬長氏の鉢巻き展示


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50年前の鉢巻きを前に「米軍機が墜落する現実は50年たっても変わっていない」と話す不屈館の内村千尋館長=21日、那覇市若狭の不屈館

 1968年11月のB52戦略爆撃機墜落事故後、県民総決起大会や抗議集会で人民党の瀬長亀次郎氏らが使った鉢巻きやバッジが、那覇市若狭の資料館「不屈館」に残されている。22日に始まった企画展で初公開された。鉢巻きやバッジには「B52撤去」の文字が残る。企画展では繰り返される米軍関係の事件・事故も紹介されており、内村千尋館長は「50年たっても変わっていない現実を知ってほしい」と話している。

 50年前の68年11月19日、米軍嘉手納基地でB52が離陸に失敗して墜落し、住民ら16人が重軽傷を負った。12月14日のB52撤去県民総決起大会には、数千人の高校生が参加。当時、高教組書記長だった平良宗潤さん(78)=糸満市=によると、高校生は「B52を撤去せよ」と記した黄色のリボンを胸に着け、毎日登校していたという。

 不屈館の「B52墜落50年展」では県祖国復帰協議会が作製した鉢巻き2本を展示。「B52撤去」「沖縄を返せ」などと記され、瀬長氏が着用していたという。人民党や沖縄返還同盟千代田支部が作ったバッジのほか総決起大会の写真なども展示している。

 内村館長は「当時は高校生や漁民、市場の女性らも集会に参加し、米軍に抗議の声を上げていた。異常な事態が日常化している現実を知ってもらいたい」と話している。企画展は12月末までの予定。