沖縄県環境部が8、9月に実施した米軍普天間飛行場周辺の水質調査で、国内で使用が原則禁じられている有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)が基地の下流側の6地点で、高濃度で検出されたことが22日、分かった。宜野湾市喜友名の湧水チュンナガーで、県が調査を始めた2016年以降最高値の1リットル当たり2千ナノグラムを検出した。識者からは「今後も汚染の検出が続く可能性がある」との懸念が上がった。
県は16地点を調査し、これまでの調査と同様に普天間飛行場の上流部の濃度は低く、下流部で高濃度だった。今回調査から泡消火剤から分解生成される化学物質を測定したところ、PFOSなどが高濃度で検出された地点の一部で化学物質も高濃度で検出された。県は「地下水への泡消火剤の影響が示唆された」とし、PFOSなどの汚染原因が「飛行場で使用される泡消火剤である蓋然(がいぜん)性がより高まった」と分析した。
今回チュンナガーで最高値の汚染を検出したことについて、環境総合研究所顧問の池田こみち氏は、湧き水からの汚染値は季節や前後の雨量などによって変動するとしつつ「地下にある汚染物質が時間を経て出てきている可能性がある」と指摘した。
国内でPFOS・PFOAの環境基準はなく、米国では飲料水中の生涯健康勧告値を1リットル当たり70ナノグラムとしている。チュンナガーの他に勧告値を超えたのは、喜友名の2地点、ヒヤカーガー、メンダカリヒーガー、伊佐ウフガーだった。