スポーツの体罰をなくすには、依存し合わぬ環境を 大峰光博名桜大准教授


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 スポーツにおける体罰で、小学生の後頭部を蹴るというのはほとんどなく、悪質な事例だ。ミスが必然である小学生の試合で、点差に対するペナルティーを課すことも問題だ。

 小学生に対しては、友だちと遊ぶためにチームに参加したり、楽しくサッカーをしたり希望を満たすチームをつくるべきだ。被害少年がサッカーをやりたくないという結果を招いたのは、指導者として大いに反省すべきだ。

 被害少年以外の保護者が監督をかばうのは、スポーツの体罰事例ではよくあるケースだ。献身的な監督をかばいたくなる心情がある。保護者の意識が変わらないと体罰は今後も温存されてしまう。

 あるアンケート調査では、体罰を受けた教え子の半数以上が指導者を「好き」と回答している。指導者は支配欲が出てきてしまい、体罰を受けた教え子は「自分が強くなれた」と、体罰を肯定してしまう依存関係が生まれる。

 今回の事件は監督自身が監督をすることで自分が落ち着く居場所として、チームに依存している可能性もある。選手、監督が互いに依存し合わないのが理想だ。