宮古島のパーントゥが無形文化遺産に登録決定 沖縄関係は「組踊」以来2件目


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見物客の顔に泥を塗りつける「パーントゥ」=10月、宮古島市島尻

 インド洋モーリシャスで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は29日、「宮古島のパーントゥ」や「男鹿(おが)のナマハゲ」(秋田)を含む8県10件の伝統行事「来訪神 仮面・仮装の神々」をユネスコ無形文化遺産に登録することを決定した。

 県内からは組踊が単独でユネスコ無形文化遺産に登録されており、今回で2件目。仮面をかぶったり、仮装したりした異形の神が地域や家々を回る日本各地の伝統行事が世界的にも貴重な無形文化遺産として評価された。

宮古島市上野野原の「サティパロウ(里払い)」。先頭で男の子がパーントゥに扮(ふん)し仮面をかぶっている。

 登録された10件の「来訪神―」は、いずれも厄災を払い幸福をもたらすとされる。過疎化や少子高齢化に伴い、神に扮する担い手ら後継者の確保が課題となっている。各地で保護の取り組みが進められており、遺産登録で今後の活動の励みになることが期待される。

 「宮古島のパーントゥ」を含め、10件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定され、地元自治体と住民らが保存・振興のための協議会を組織している。【琉球新報電子版】