台湾留学の人気沸騰ビザ件数3年で5倍 中国語人材の需要増が背景


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台湾の大学への進学を目指す台湾大学進学予備校の生徒ら=27日、那覇市

 沖縄県内から台湾への留学が人気となっている。台北駐日経済文化代表処那覇分処によると、同分処が発給した交換留学・大学院生向けのビザ件数は2015年は23件だったが、今年は1~10月で5倍の115件に上っている。

 外国人客への対応などで県内企業の中国語人材への需要が増加しているほか、台湾の大学進学を支援する学校が県内で相次いで開設されていることも、台湾留学ブームを後押ししている。同分処によると、台湾では少子化が進んでいるため大学が積極的に留学生を受け入れており、県内からの留学生はさらに増加が見込まれている。

 茨城県を拠点に全国で事業展開している台湾大学進学予備校は14年に沖縄に進出した。15年に11人だった生徒数は、今年は60人となった。19年には100人を超えると見込んでいる。

台湾や中国の大学へ進学が決まったチャイニーズスクール沖縄の生徒らを紹介する掲示=那覇市泊

 同校は現在県内に3校あり、興南高校でも華語(中国語)講座を開講している。同校の担当者は「台湾は、沖縄から近く学費など費用も安く、言語も同時に学べることが魅力だ」と説明した。

 11年に中国語の語学学校として開校したチャイニーズスクール沖縄(那覇市、施雅燕代表)は、台湾の大学へ進学する生徒が急増したため、中国語一般コースに加えて17年に台湾留学準備クラスを設けた。

 施代表は「これからは中国語の時代だ。中国語資格を持てば、観光関係企業への就職だけではなく公務員試験にも有利だ」と話した。同校では現在27人の高校生が台湾の大学への進学を目指して学んでいるという。

 今年5月からチャイニーズスクール沖縄に通う那覇西高校3年生の真喜屋世利華さん(17)は「学費が日本より安く、中国語にプラスして英語の勉強もできる」と笑顔で語った。